4 ということで、ペットを飼うことにしたよ。

魔物について少しは理解してくれたかな?あれから3ヶ月、ひたすらレベル上げをしてたんだ。そしたら、ぼくもまた少し強くなって、LV16になったから、次は人間のお城の近くへ向かったんだ。まだまだ、魔王城は遠いけどね。一歩づつ近づいてるよ。

お城付近の草むらの上でひなたぼっこしてる時に不意に人間の子供が出てきたんだ。

「魔王を倒してオレは勇者になるー!」

って、叫びながらね。人間て、勇者になることしか考えてないのかな?変なの。
まぁ、いっか。

今はそれよりも、この人間の子供に声をかけてみようかな。もし本物の勇者なら魔王倒すのに使えるかもだしね。

「クェー!」
「うぉ!魔物だぁぁぁ!!やっ、やっつけるぞー!」

はっ、ついうっかり威嚇しちゃった。だめじゃん、ぼく。

「まって!ぼくは、悪い魔物じゃないんだ。相談があって声をかけたの。クェ。」
「魔物に良い悪いがあるもんか!さっき買った勇者の鉄パイプで倒してやるー!」

勇者になりたい子供が鉄パイプでなぐりかかってくる。

勇者弱の攻撃。バシュコーン!5のダメージ。

「クェー!話しを聞いて。」
「うるさい!うるさい!うるさーいー!」

クェー、、この人間の子、、メッチョめんどくさーい!少しおとなしくさせぉう。

ぼくの攻撃。石化ブレス!

「クェーー。」

勇者弱は徐々に石化をはじめた。

「うぁぁぁぁ!!なにするんだぁぁぁ!!やめろぉぉぉ!」
「落ち着いて。ちゃんと話しをしようよ、ぼくは、きみの味方になりたいんだ。他の冒険者たちも魔物にくっついて旅をしているよね?」
「もごもご・・・。」
「あ、ごめん、顔の石化解除クェ〜。」
「話しちゃんと聞くから、全部解除してよ!」
「ほんとだよ?クェ。」

勇者弱の石化が解除されると、勇者弱はぼくに背を向けて走り出した。

「魔物だぁぁぁ〜!!助けて〜!!」
「あっ!こら〜!」

ぼくは、まわりこんだ。

「セーキーカーブーレースー!クェ〜!!」

ぼくが石化ブレスを唱えると、勇者弱は頭を残して石化した。勇者弱は目と口だけを動かしてしゃべりだした。

「ジョ、ジョークだってば。はいはい、聞くよ、聞けばいいんでしょ!早くしてよ!」
「・・・ねぇ、、本当に勇者、、なの?クェ?」
「これからなるんだよ。まだ、子供だし。かけだしのかけだしだよ。ふんっ。」
「まぁいいや。話しの続きなんだけど。魔王倒したいのは本当?クェ?」
「本当だよ。オレのおじいちゃんが、旧魔王を倒した勇者だったんだ。ちゃんと勇者の血を引き継いでるってわけさ。」

ムフーって鼻息をならして、ドヤ顔でぼくを見る。

「へー!?って、それはすごいの?頭悪いからよくわからないや。クェ。」
「お前なぁ・・。大丈夫かなぁ・・。」
「でも、ぼくも今の魔王を倒したいんだ。そこは一緒だよね。クェ。」
「お前、魔物だよなぁ?変わってるやつだな。」
「うん。魔物たちみんな、ぼくの話を聞いても、何言ってるんだ?って言うよ。それでも、ぼくは、魔物たちが幸せに暮らせる世界を作りたいんだ。今はひどい世界だから。クェ。」
「お前、名前は?」
「名前?何それ?強くなれる?」
「魔物には名前ないのか?おれの名前は、シオン!勇者シオンだぜ!」
「へー!何それずるい。」
「お前、お前って言うのもなんだし。名前つけてやるよ。そうだなー。アルで良いんじゃない?」
「アル?それ、つおい?メッチョつおい?」
「愛称だからなー。いつか好きなのに改名すれば良いんじゃない?アル・カポーネとか、アル・パチーノとかさ。」
「わかった!じゃあ、ぼくの名前はアルにする!よろしくねシオン!勇者王シオン!」
「よせやい、、照れるじゃん。」
「これから特訓して強くなろうね。クェ。」
「おうよ!」

それにしても、良い天気にいい出会いしたな。

「それでさ・・・、アル、いつになったら石化解除してくれるの。。」
「あ。忘れてた。クェ。」

ということで、勇者(弱)をペットにすることができたんだ。