ぼくと、勇者(ふつう)シオンは、ぼくの大当たりのコインをもって、景品交換所にいったら、勇者の盾がドーンと置いてあった。
「ねーねー。お姉さん、その盾何コインで交換できるの?」
お姉さんは、ぼくを見るや、
「うふ〜ん」
と言って、
「ボウヤきれいな顔してるわね〜。今夜どう〜?」
とか言ってる。答えになってないよぅ。
あ、、これが、インキュバスの能力なのね。。面倒っ!
「だーかーらー。その盾何コインなの。」
「はっ。。すみません、とりみだしちゃった。。こちらはコイン五百万枚となってます。」
勇者が続けて言った。
「五百万枚?高すぎでしょ!」
「勇者シオン〜。だいじょうぶだよ。二億六千万枚稼げたからっ。」
「はぁ?まぢかよ。。」
「お姉さんっ、五百万枚でその盾ちょーだい!それと、その横の杖も欲しいな。」
「杖は四百五十万枚です。」
「合わせて九百五十万枚だね。お姉さん、はいどうぞ。」
「あなたが、先ほどジャックポットだしたボウヤなのね。盾と、杖。他に欲しいものはない?わ・た・しは、ただでいいわよ〜♪」
「ぼくには勇者がいるし大丈夫!」
「あら残念、そっちなのね。」
ぼくは杖をもった。強そう!なんか魔力上がったも!
勇者シオンは盾を持って叫んだ。
「ヒャッハー!」
ぼくもつられて。
「ウェウェウェーイ!」
「ねぇねぇ、さっきのお姉さんの、そっちってなぁに?」
「なんとなくわかるけど、男同士が好きってことじゃね?」
「なるほどー!それならあってるね!ぼく、勇者のこと、好きだよ〜!」
「まぁ、その好きとは違うと思うけど、親友として、オレも好きだぜ!これからも頑張ろうな!」
「うんうん!で、ここの王様にあってく?」
「成金でオレ偉いんだぜ〜。みたいなおっさんで、一時間四十分も話されたらかなわないなぁ。」
でも、お金をくれるかも?!」
「それは、ありえる!行ってみよう」
お城の門番は、左右にダークエルフのお兄さんが立っていた。ぼくらは通行証を見せると、一人の門番に案内された。王室前に着くと、門番が大きな声で言った。
「嬢王様、旅のものを連れて参りました。」
嬢王??
「はいれ。」
その声を聞くと、扉が開いた。きらきらな王室の玉座に美人のお姉さんが座っていた。お姉さんの周りには若い男が五人ほどいる。
門番が一礼すると、ぼくらに言った。
「嬢王様に失礼のないようにな。この国のナンバーワンの座についているお方だ。それとな、、このドンペリを渡してくれないか?オレの名はマーシャ。マーシャからだって渡してくれよ。手紙を挟んであるから、な、お願いだぞ。」
ぼくはわかった!といって、手紙を読みだした。
「えっと、親愛なるヤナ様。今日はとても月がきれ‥。」
「いや!今ここで読まなくていい。渡してくれればいいんだ。」
ぼくは、勇者以外の人間と話すのは、今日が初めてだから、勇者の後ろについてこ。
「嬢王様、謁見の許可を頂き、ありがとうございます。」
勇者って、偉い人に会うときは、ちゃんとわきまえてるんだね。えらいぞ、ぼくのペット。
「ふふふ。すでにお前たちのことは、妾の耳入っておる。妾のカジノでかなりの額を稼いだとな。」
「私はシオンと言います。勇者の血を引く者です。」
「お前のお爺様の名はどこまでも届いておるぞ。それにひきかえお前の父親は、お酒にギャンブルに、どうしようもないやつだったな。」
「はい。申し訳ありません。勇者一族の汚名を晴らすためにも、私はこの仲間とともに魔王を倒しに向かうところです。先ほど、勇者の盾を取り戻しました。」
「ふふふ。お前は父親より優れているのだな。この大地に平和を取り戻して見せよ。実はな、お前の父親から、妾への献上品として、勇者の鎧をもらっておる。欲しいのではないか?」
「勇者の鎧がここにあるのですか?」
「右を見てみよ。」
「あれは!」
「そうだお前のお爺様の鎧だ。兜はないがな。お前の本気を強く感じたぞ。持って行くがよい。」
「いくらで譲っていただけるのでしょうか。」
「あまく見られたものだ、持って行けといっておろう。」
「恩にきます!必ずや、この大地に平和を訪れてみせましょう!」
ぼくは、ちょっと緊張しながら嬢王に声をかけた。
「ねぇねぇ、門番のマー、マー?名前忘れちゃったけど、この瓶を渡してって。」
「あのうつけが。まぁよい。後でゆっくりいただくとする。勇者シオンよ!ゆけ!魔王を倒して参れ!」
ぼくとペッ…勇者と、深々とお辞儀をした。ふと嬢王様をみるとまんざらでもなさそうに、瓶を側近の男たちに渡しグラスを積み上げさせて、上から滝のように継がせていた。
お金はもらえなかったけど、鎧をもらえた勇者シオンは嬉しそうに、早速装備をして、
「ヒャッハー!」
って叫んだ。
さてー!勇者シオンも(鎧で)強くなったし、ぼくも負けてられない!
なんだか、リザードマンとかも弱っちく感じるよ。
「まって!勇者シオン!倒さないで!転生の素材にするから!」
ふらふらと旅をしつつ、次のお城に向ってく。転生を繰り返してたら、いつの間にか、ぼくもいっぱしのダークドラゴンになれたよ。変幻自在な能力も持ってるし、当分人間の体でいくぉー!
ウェウェウェーイ!転生サイコー!