今日の天気は砂。そんな日は、学校も休みになる。
あたり一面が真っ白な砂の世界に変身するんだ。窓から空を見上げると、薄暗い灰色をしている。
無数の砂が、次から次えと降り続く。
窓を開けて手を出した。砂が手に触れる。さらさらと砂が手に触れて、そして、下へ落ちていく。
後ろから、パパの声がした。
「窓を閉めなさい。」
今日は、仕事もどんなお店も休みになるんだ。だから、パパだって今日は家にいるんだ。
ぼくは、窓を閉めて空を見上げた。くろは、暖炉の前で丸まって寝ている。
そう、ぼくの猫は黒色だから”くろ”って名前なんだ。
南の方の空がいっそう暗くなってきた。すると、南の空はぽっかりと口を開いた。
そう思っていると、ザーっと、音を立てて、たくさんの砂が落ちてきて、小さな丘を作り上げた。
ママが、ぼくを呼びにきた。
「ご飯食べるわよ。」
「うん、今行く。」
ぼくは、空を見上げるのをやめて、暖炉の前で丸くなっているぼくの飼っている猫を手に抱えて、
キッチンに行った。
キッチンのテーブルには、パンやスープなどが用意されていた。
ぼくはくろを床におろして、テーブルの上にあった牛乳の入った皿をくろにあげた。
くろはおいしそうに飲む。ぼくは椅子に座って、パンを取って食べ始めた。
パパとママも椅子に座っていっしょに食べる。ぼくは後ろを向いて、窓の外を見た。
まだ砂は降り続いているみたいだ。
「こら、ちゃんと前を見て食べなさい。」
ママにそう言われた。ぼくはママに言った。
「ねぇ。いつになったら砂はやむのかなぁ?」
「そおねぇ。天気予報では、昼過ぎにはやむって言っていたわ。」
くろは牛乳を飲み終えると、暖炉のあるところへ歩いていった。
ぼくも食べ終わったので、暖炉の部屋に行った。窓の外は少し明るくなってきている。
そろそろ、やむかなぁ。やんだら、砂遊びをしなくっちゃ。
砂って、おかしいんだ。明日の太陽が出ると、一粒残らず消えてしまうんだ。
だから、今日中に遊ばなくっちゃいけないんだ。
くろは気持ちよさそうに寝ているなぁ。
そして、砂がやんだころ、ぼくはポケットにおやつで食べるひまわりの種を入れて、くろと一緒に外に出た。