2 強くなるには、あんなことやこんなこと、ごめんね。

あれから、いろいろぼくも試してきたんだ。スライムくんたちには、とても、とても、ごめんねなんだけど。たくさん、倒してレベル4まで上がったんだ。
それとね、わかったんだけど、魔物の中には人間の冒険者をペットにしていて、普通の魔物よりも強いということ。跡を尾け回してわかったことがあるんだ。なんと、ぼくら魔物が強くなる方法が、3つあったよ。1つめは、スライムくんみたいに、弱い魔物を倒して経験値を稼ぐこと。そして、魔物の落し物を拾って強い武器を手にいれるんだ!
あ、スライムくんの、お母さんへの手紙はいらないよね。ぽっ♪2つめ、3つめは、禁断の強化合成と、進化合成があるんだ。とりあえず、強化合成をやってみようかな?「あ、スライムくんっ!ねぇねぇ、ぼくと一緒に強くなりたくなぁい?」
「うん!強くなる!」
「じゃあ、決まりね!」戦わずして強くなれるのだけど。。。

「ぼくが、この輪っかの上に立ってるから、そっちの輪っかの上に立ってね〜。」
「ここでいいのかな?」

今回もごめんね、スライムくん。

「いっくよ〜!強化合成〜!」

輪っかが強く光った。銀色の光の輪が上昇を始める。円柱の光ができあがると。スライムくんが叫んだ。

「きゃー!」

円柱の光が上から消え始めた。すこしずつ、光の中が見えるようになってきたけど、スライムくんのすがたが見当たらない。

パパラッパッパーン!!

おっ!この音にもなれてきたよ!レベルアップだね!

「ぼくのレベルが4から6に上がった!」

うぉぉぉ、やっぱり、倒すよりも効率はいいな。でも、お金とアイテムは落とさないのね。本当にごめんね、スライムくん。

そして、もう1つの禁断の進化合成なんだけど、特定の魔物と合成すると別の種族に進化できるんだって。それも、ちょっと試してみよっかな。つるつるの肌よりも、ふさふさの毛の生えた魔物の方が一般受けするみたいだから、一度鳥っぽいバットと進化合成してみようかなぁ。夜になると森の方でみかけるんだよ。

ホーホー。
夜の森の中ではいろいろな魔物や動物が共存しているよ。ホーホー言ってるのは、トロールのじいちゃんがなにかにうなずいてるときの声じゃなかなぁ。違うかな?

「あ、バットくん!」
「ゴブリンがこの森に来るなんてめずらしねぇ。迷った?ねぇ、迷った?きっと迷ったんだよね?」
「ぜんぜん迷ってないよ!それよりも、相談なんだけど。一緒に強くならないかなぁって。」
「う〜ん。強くなって何するの?ぼくはこの森でのんびりと暮らしてたら結構幸せなんだけど?」
「え〜。。つまらなくないの?もっと外に飛び出していこうよ!いろんな世界を見てまわろうよ!楽しいこともいっぱいあるよ。かわいい子もいるよ!」
「ピコーン!そ、その話のったー!」
「じゃぁ、決まりね!ぼくが、この輪っかの上に立ってるから、そっちの輪っかの上に立ってね〜。」
「ここでいいのかな?」

今回はごめんね、バットくん。

「いっくよ〜!進化合成〜!」

さっきと同じように輪っかが強く光った。金色の光の輪が上昇を始める。円柱の光ができあがると。バットくんが叫んだ。

「ぴぃー!」

円柱の光が上から消え始めた。すこしずつ、光の中が見えるようになってきたけど、バットくんのすがたが見当たらない。

シューンシューンジャッキーン!!

ふぁ!不思議な音が鳴ったよ!

「ぼくがゴブリンから、コックに進化した!」

あれ。。。もっと違う可愛らしい魔物になる予定だったんだけど、、この体、、ニワトリだよね・・・。腕を返して〜。。。

パタパタパタパタ。クェー!

まだまだ、ぼくの旅ははじまったばかり。

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うや

童話、小説、その他、いろいろ妄想したり書くのが好き。最近は、わたしのトリセツ「ショコラ」の文章を担当してるよ。https://chocolat.jp/ まだまだ書くこといっぱいあるんだ。

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