﹁なんか、おかしくない?﹂なにが?﹁ほらやっぱり変だよ。﹂だから、なにが?﹁君は誰?﹂ぼく?ぼくは君だよ。﹁え?﹂だれだって、自分の中に何人かぼくが存在するでしょう。﹁う丨ん。どうだろう。﹂でも、ぼくには存在するわけなんだ。こうやって、話しているわけだし。﹁うん。でも、やっぱり変だよ。ほら、タイトルがない!﹂ぼくが書きたくなかったんだもん。いいじゃない。たまには。﹁まぁ、いいんだけど。﹂でも、一応タイトルはあるんだよ。﹁なんて言うタイトル?﹂” ”だよ。﹁え?聞こえないよ。﹂だから、” ”だってば。﹁なにも言っていないじゃない。﹂タイトルを消しちゃっているのさ。そうそう、ぼく自身を消すこともできるんだよ。﹁どうやって。﹂う丨んとね、こうやってさぁ。﹁え?だから、どうや・・・﹂
わかった?﹁・・・。うん。怖いねぇ。﹂もう一回やってあげようか?﹁もういいっ
ね。何にもなくなって、真っ白。﹁・・・もういいよ、じゅうぶんわかったから。﹂うん。さぁてと、ぼくはそろそろ出かけるから。またね。﹁どこへ行くの?﹂﹁真っ白な世界さ。﹂
ぼくは、目を覚ました。ふぅ。夢の世界だったのかぁ。ん?やっぱり、おかしい・・。だって、やっぱりタイトルがないもの。タイトルが、真っ白だもん。